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内科 矢野先生のドクタートーク

本当に怖い血管の病気 急性大動脈解離
みなさんは“急性大動脈解離”と言う病気をご存じですか?古くは石原裕次郎が、少し前では加藤茶がなった病気と言ったらお分かりでしょうか。この急性大動脈解離、いったいどういう病気なのでしょう。大動脈は心臓から出発して全身に血液を送る、最も太い動脈です。

根本では直径が4cmもあります。大動脈は心臓から出発すると、まず頭の方に向かって上がり、脳や腕にいく動脈を出した後にUターンしてお腹に向かいます。動脈の壁は実は一枚壁ではなく、“外膜”“中膜”“内膜”という三枚でできています。

傷がついた内膜に高い血圧で血液がぶつかった時、内膜のわずかな裂け目から中膜の中に血液が流れ込んでしまい、壁が内と外の二枚に剥がれていってしまう…これが“解離”と言う現象です。

バウムクーヘンでイメージしてみてください…
症状は,“突然おこる激しい胸・背中の痛み”です。痛みはすごく,『馬に蹴っ飛ばされたような…』などと表現されるほど強いものです。解離の生じた場所によって痛みの場所も変わります。

急性大動脈解離で怖いのは合併症です。外膜が破れて破裂したり、解離が絡んだ枝が詰まってしまったりします。特に大動脈の根本の部分(上行大動脈)に解離が生じると、心筋梗塞や脳梗塞など心臓や脳に関わる合併症を起こす可能性が高いため大変危険です。このため上行大動脈に解離があるものをA型、ないものをB型と分類し、治療の方針も変わってきます。

下のグラフをご覧ください。
これは生存曲線と言って、その病気になった人の何%の方が生存しているかを時間経過であらわしたものです。A型では解離が起こってわずか1日で半数の方が、一週間たつと3分の2の方が亡くなってしまうことがお分かり頂けるでしょうか。


ですからA型であればすぐに緊急手術が必要です。しかしこの手術は大がかりで、残念ながら助からないこともあります。裕ちゃんやカトちゃんが助かったのは、ある意味“運が良かった”ところもあるのです。急性大動脈解離は起こってから治せば良い病気ではなく、起こらないようにしなければいけない病気です。

特に重要なのは“動脈硬化”です。動脈硬化は大動脈解離のみならず多くの動脈の病気で重要な原因の一つとなっています。動脈硬化には肥満・喫煙・高血圧症・糖尿病・高脂血症etc.が大きく関わっているので、これらをしっかりと管理し少しでも状態を良くしていくことが必要です。

最近“メタボリックシンドローム”が話題になるのは、こうした理由があるのです。あなたの健康のため真剣に“動脈を守って”いきませんか?




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